Tokyo Jazz 2011.9.4 Night Session
T H E   J A Z Z   S P E C I A L
日野皓正SPECIAL PROJECT feat. 佐藤允彦、dj honda
with 石井彰、日野JINO賢二、須川崇志、田中徳崇、矢野沙織、荻原亮
日野皓正(tp), 佐藤允彦(synth), dj honda(dj), 石井彰(p), 日野JINO賢二(eb), 須川崇志(ab), 田中徳崇(ds), 矢野沙織(as), 荻原亮(g)
photo by (c)岡 利恵子/(c)Rieko Oka (c)TOKYO JAZZ FESTIVAL 2011photo by (c)岡 利恵子/(c)Rieko Oka (c)TOKYO JAZZ FESTIVAL 2011photo by (c)岡 利恵子/(c)Rieko Oka (c)TOKYO JAZZ FESTIVAL 2011

日野皓正は新作を引っさげての登場。
3年前に出演した4ビートJAZZグループと違い、このグループは前衛的で、また野心的な音です。
特に名曲"City Connection"は既に別の曲と化してまして、アナウンスが無ければちょっとわからない程。
しばらくアコースティックJazzに戻っていた日野・・・彼の探究心はまた別の次元に乗り出したのでしょうか。
この混沌とした音は、昔でいうと「ススト」「ダブルレインボー」を彷彿します。
また、息子賢二との2ショットもありますが、もう親子というよりも賢治も独立したミュージシャンの風格があります。

面白いのは矢野沙織の参加で、彼女の場合は上手にパーカーみたいに吹くのが身上のミュー−ジシャンと思ってました。
それがここではフリーキー・トーンを連発し、いつもとは違った一面を見せますが、やや消化不良の感じが否めませんね。
でも、矢野にとってこのグループで演奏するのは何かプラスをもたらすような気がします。

日野のブローも素晴らしく、その個性的なトランペットは世界を見渡しても唯一無二。
あくまでもアグレッシブを貫く日野の姿に力強いものを感じました。

1. Jon Kyeong/Inert Motion
2. City Connection
3. TKNY02

TOKYO JAZZ SUPER GUITAR SESSION directed by リー・リトナー
  with special guests:マイク・スターン、布袋寅泰、ジョン・ビーズリー、メルヴィン・デイヴィス、デイヴ・ウェックル
Lee Ritenour(g), Mike Sturn(g), 布袋寅泰(g), John Beasley(key), Melvin Davis(b), Dave Weckl(ds)
photo by (c)中嶌英雄/(c)Hideo Nakajima (c)TOKYO JAZZ FESTIVAL 2011photo by (c)岡 利恵子/(c)Rieko Oka (c)TOKYO JAZZ FESTIVAL 2011photo by (c)中嶌英雄/(c)Hideo Nakajima (c)TOKYO JAZZ FESTIVAL 2011

ギタリストが3人も揃って共演する、このセッションは東京Jazzの目玉でしょう。
こういうFusionギタリストの共演ものは、昔から数多く出されていて、どれも常に楽しいものです。

「6 String Theory」から派生したライブですが、今回のLIVEは日本の「Guitar Workshop」に近い気がしました。
既にリー・リトナーとマイク・スターンはツアーで来日済みが、そこに日本の布袋寅泰が加わることで興味が倍増する。
ライブはリトナーの単独演奏"Etude"で始まり、そこにマイク・スターンが加わる2ギターの演奏。 マイクはいつものように大はしゃぎで、リトナーも笑って楽しそう。

Jazz/Fusionテイストな感じでステージが進むと、布袋寅泰が登場し、一気にRockテイストに変わる。
この3ギターのセッションがハイライトであり、一番盛り上がり、また非常に楽しませてくれた。
ギター以外でもデイブ・ウエックルのドラムが光っていて、他バックの好サポートも光ってました。

これだけのギタリストが揃い、しかも弾きまくってくれますので、ギター好きには大満足。
できればシリーズ化して欲しいな・・と、ちょっぴり贅沢なことを考えてしまいました。

1. Etude
2. Lay It Down
3. Stolen Moments
4. Wing And A Prayer
5. Battle Without Honor Or Humanity
6. Freeway Jam
7. Big Neighborhood

DMS - ジョージ・デューク、マーカス・ミラー、デヴィッド・サンボーン
George Duke(key,p), Marcus Miller(b), David Sanborne(as), Federico Gonzalez Pena(key), Luis Cato(ds)
photo by (c)中嶌英雄/(c)Hideo Nakajima (c)TOKYO JAZZ FESTIVAL 2011photo by (c)中嶌英雄/(c)Hideo Nakajima (c)TOKYO JAZZ FESTIVAL 2011photo by (c)中嶌英雄/(c)Hideo Nakajima (c)TOKYO JAZZ FESTIVAL 2011

東京Jazzのファイナルステージは、これまた凄いメンツのセッションが残されていました。
DMSという名前のグループは、ジョージ・デューク、マーカス・ミラー、デヴィッド・サンボーンという、それぞれ単独でも聴きたいBig Name。
それが一同に介してのセッションを行うというのは、どんな音が出てくるかが興味が尽きなかった。
実際は各々の曲を持ち寄ってのセッションなのだが、この3人によるコラボレーションが素晴らしい。

おごそかなイントロからテンポアップする"Run For Cover"で始まり、"Straight To The Heart"に続いた。
最初の雰囲気としてはサンボーンのLIVE名盤「Straight to the Heart」のリユニオン的な感じで、同アルバム中"Lisa"も演奏された。
サンボーンの"Chicago Song"については、ギターが必要に感じたが、頭の中でついギターを補ってしまう。
デュークの"Reach For It"では語りのようなボーカルで、その中でマーカス・ミラーが"School Days"のイントロを真似たり、通常では聴けないような楽しいステージだ。

マーカスの曲では唯一"BLAST"が演奏された。昨年のオーケストラをバックにした演奏とは趣向が違うが、バンドで演奏してもなかなか盛り上がった。

マイルス・デイヴィスの曲"Cobra"、"TUTU"はマイルスへの小トリビュートであろう。
「TUTU」にはジョージ・デューク、マーカス・ミラーも参加していることから、かなり雰囲気があります。
マーカスはバスクラリネットでラインを吹きながら"Cobra"が始まり、ベースに持ち替えて"TUTU"へと移る。
"TUTU"テーマのヒット音は流石にジョージ・デューク。テーマを吹くサンボーンも情緒タップリ。

これだけのメンツが一同に揃い、さすがのFusionサウンドを繰り広げてくれました。
東京JAZZのトリを飾るにふさわしいステージで、これだけ楽しいステージを観た後は自然に笑顔になります。
来年もまたこんな元気になれるようなフェスティバルを期待しながら、東京JAZZ2011は幕を閉じました。

1. Run For Cover
2. Straight To The Heart
3. Brazillian Love Affair
4. Lisa
5. Maputo
6. Chicago Song
7. Cobra/Tutu
8. Sweet Baby
9. Blast !
10. A Fonk Tail
11. Reach For It
12. Da Butt




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Photo by Hideo Nakajima/Rieko Oka
Reported by TKO

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