Tokyo Jazz 2008.8.31 Day Session
T O K Y O J A Z Z 2 0 0 8 m e e t s B L U E N O T E T O K Y O
Robben Ford
Robben Ford(g,vo), Travis Carlton(b), Toss Panos(ds)

トリオでブルースを聞かせてくれたロベン・フォード。
前回はラリー・カールトンと一緒でしたが、今回は自分のバンドでの東京JAZZに登場。
ボーカルにギターにと、ロベンの持ち味を出してくれました。
ただ、ロベンのファンとしてはやや物足りなさが残った気がします。
元マイルス・バンドは伊達じゃなく、ギターだってもっともっと弾けるはず・・・。
随分前にブルースに転向してましたが、それでも当時はもっとバリバリに弾いていたはず。
枯れるにはまだ早い、ワン・モア・ロベン!・・・と思わずにいられませんでした。

1. Lateral Climb
2. Indianola
3. Supernatural
4. Riley B. King/Earthquake
5. Cannonball Shuffle
6. There'll Never Be Another You
7. Peace
8. Lovin Cup
Sam Moore
Sam Moore(vo), Christine Poland(vo), Brenda Vaughn(vo), Naomi Margolin(vo), Larry Etkin(tp), Dan Cipriano(sax), 大野清(bs), 青木タイセイ(tb), James Dower(kb), Mark Newman(g), Ivan Bodley(b), Tony Lewis(ds), Omar Martinez(perc), Joyce Moore(mc)
ライブがはじまるやいなや、すごい盛り上がり。
ノリの良いソウルで、エネルギッシュなボーカル・・・それまで気づかなかったのですが、サム&デイブのサムだったのですね。
サム&デイブはあまり聞いたことが無かったのですけど、演奏された曲もうどこかで聴いて耳に馴染んでいる曲のオン・パレード。
名曲"ソウルマン"には、会場の観客みんなが、スタンディングで大ノリでした。
1. Peter Gunn
2. Hold On I'm coming
3. Knock On Wood
4. Them Changes
5. I Can't Stand The Rain
6. You Don't Know Like I Know
7. Don't Play That Song
8. I Stand Accused
9. Soul Sister Brown Suger
10. Standing On Shakey Ground
11. Mr.Pitiful
12. Can't Turn You Loose
13. Something In Wrong
14. I Thank You
15. Soul Man/Shaft/Soulman
en. You are So Beautiful
SLY & THE FAMILY STONE
Robben Ford(vo,kb), Rose Stone(vo,kb), Lisa Banks "Stone"(vo), Anthony Stead(vo), Cynthia Robinson(vo,tp), Mike Rinta(tb), Jerry Martini(sax), Tony Yates(g), Pete Yates(b), Remillion "Spider" Dubose(ds)

スライ&ファミリーストーンの初来日ライブ・・・そう考えるだけで武者震いがします。 多分初来日したローリング・ストーンズが、演奏が始まるまで信じられないのと同じ感覚。 あのマイルス・デイビスやハービー・ハンコックにモロに影響を与えた伝説的なバンド。 ある意味ではこのグループこそがFusionの始まりかもしれません。 本当に意外であった初来日。しかし何故「Summer Sonic」で無く、「FUJI ROCK」でも無く、この「東京JAZZ」に・・・? ともかく、この目でスライ&ファミリーストーンを生で見ることが出来る!! その興奮は自分だけでなく、会場全体に充満していました。

メンバーが現れると、期待と不安がピークに。 しかし、そこに伝説の男スライ・ストーンの姿は無く、そのままライブがスタートしました。 1曲目"Dance To The Music"は、この曲で始まって欲しいと思ったそのままです。 タイトなリズムがぐいぐい来る、これまで知ってるFUNKの中でも最高!これこそが本物のFUNK。 超ベテランだし、そんなにライブやってないだろうし、演奏は一体・・・そんな不安はこの曲でぶっとびました。 それとオリジナル・メンバーでスライの妹のローズ・ストーンは健在で、あの声はまさにCDで聴いたままなので、感激しました。

そのまま曲は次に進み2曲目"Everytday People"・・・あああ、これも最高な曲です。 グループは疾走するかのように無敵のFUNKを我々の前に披露します。 しかし、伝説の主であるスライ・ストーンの姿はまだステージ上には無い。

もしやスライ・ストーンは来ていない?欠場?・・・その不安を打ち消すかのように、スライ・ストーンが登場しました。 そのいでたちは想像してたものではありませんが、それは当たり前で30年以上前の写真の姿しか知らないですので。 その伝説の男がステージ上に居る・・・そして両腕を突き上げてPeace! やはりレジェンドなのですね。何かマイルス・デイビスのカムバックとダブります。

スライが最初に登場したのは3曲目"Don't Call me Nigger Whity"だったか、4曲目"Fammily Affair"だったか、ここは記憶が飛んでしまってます。 すみません、レビュアー失格ですね。でもこのライブの興奮で記憶が部分的に飛んでしまって、肝心の部分が特に超興奮状態。 それだけスライは神々しく見えましたね。演奏はボロボロでしたけど。

ただ、スライ・ストーンというカリスマ、生きる伝説が登場してからが不思議にバンドの勢いが衰えるんです。 それまでの疾走がまるでブレーキがかけられたように、なにか金縛りにでもあったのでしょうか。 ドラマーも曲を間違えて叩き出すなど、ハプニングの続出。

ただ、スライが「Stand」とつぶやいてからスタートする5曲目"Stand"はカッコ良かったですね。 スライはキーボードの椅子に座り、時たまマイクを持ってボーカルを取ります。 声はちっとも出てないし、リズムももたり気味・・・でも良いんです。生きた伝説ですから。

ただ、自分の出番でないと、キーボードの椅子に座りながら子供みたいにクルクルまわって・・・。 このあたりから、スライはやばそうだ・・・というのが見え始めました。

そしてとうとう事件が起こりました。 スライがキーボードでソロを取っている時に、バックでの他のキーボードの音がぶつかったのが気に入らなかったのか? それともスライのキーボードのつたなさをカバーしようとしたのが気に触ったのか? スライは何か言葉をそのメンバーに浴びせると、マイクを椅子に置き、お辞儀をしてこともあろうに曲の途中で袖に引っ込んでしまいました。 当然なことながら、突然スライが消えたことでメンバーの動揺がわかります。

Saxのジェリー・マルティーニが袖に行って戻ってくると、スライはもうダメだというような仕草でメンバーに伝えました。 その後は、元のスライ・ストーン抜きでの演奏になります。 しかし、ここで元の疾走感が戻ってきて、タイトな史上最高のFUNKバンドに変貌するのが皮肉ですね。

締めくくりは"Highr"、"Thank You"とこれ以上は無いようなFUNKナンバーで締めくくりました。 ちなみにオフィシャルのセットリストには"Thank You"だけとなっていましたが、途中ぐっとテンポを落としていて、実は"Thank You For Talkin' To Me Africa"だったのではないか?と思ったのですがいかがでしょう。

また最後にちょっとだけドタバタがあって、最後の曲が終わると、まだやり残しがある感じなのにメンバーはそそくさと袖に引っ込みました。 アンコールに戻ってくると、再び"Higher"を演奏しながら、メンバー紹介・・・・これが本当は最後にあったのではないでしょうか。 ちなみにアンコールにもスライ・ストーンは姿を見せず、あれから2度とステージに戻ってくることは無かったです。

ステージは終わりましたが、やはりスライ&ファミリーストーンは伝説のバンドだったんですね。 その伝説を生で見ることが出来たというのは、これほど幸運はなかったかと思います。 それにしてもこのバンド・・・来日の次はあるのでしょうか? ともかく、色々な意味でも凄いステージだったことには間違いありません。

1. Dance to the Music
2. Everyday people
3. Don't call me nigger whitey
4. Family Affair
5. Stand
6. If you want me to stay
7. Sing a Simple song
8. Higher (Interlude)
9. Thank you
En. Higher





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Photo by アスワン
Reported by TKO

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