Tokyo Jazz 2009.9.5 Night Session
J A Z Z   I S   B E A U T I F U L
Melody Gardot
Melody Gardot photo by Rieko Oka     Melody Gardot photo by Hideo Nakajima

ムーディーなJazzヴォーカリスト。まさに夜を思わせる雰囲気ですね。
バンド編成が変わっていて、チェロが入っていますが、これがまた音楽にマッチしています。
メロディ・ガルドーも美声で聞かせるタイプで、スイングするタイプでは無いのですが、なんともJAZZの雰囲気があります。

1. Worrisome Heart
2. The Rain
3. Les Etoiles
4. Who Will Comfort Me
5. Our Love Is Easy
6. Baby I'm A Fool
7. If The Stars Were Mine
8. My One And Only Thrill
9. Goodnite

上原ひろみ
Hiromi Uehara photo by Hideo NakajimaHiromi Uehara photo by Hideo Nakajima

上原ひろみのソロ・ピアノによるライブというのは、何年も前から見てみたかった。
あれだけ抜群のピアノ・テクニックであれば、バンドだけでなく、ソロ・ピアノでも見たいところ。
ただ、時おり一本調子に陥ってしまう・・・1曲くらいならいいが、ソロでワンステージできるのか?
しかし、そういった心配は杞憂だった。

凄いと思ったのは非常に速いパッセージが印象的な"B.Q.E."。
中盤のロマンティックなメロディがなかなか素敵。そして終盤に出てくる、現代音楽ステーブ・ライヒのピアノ・ファイズのような、ミニマルの反復フレーズ。
スリル満点な凄い演奏でした。

テクニックだけでなく、上原はアイデアも凄いんだなと思わせたのが"パッヘルベルのカノン"。
ピアノに物を入れてミュートさせて、あたかもハープシコードみたいな、なるほどこうするとそんな音が出るのか、とアイデア一杯だ。

面白かったのは世界中を回って作ったという、世界で活躍する上原ならではのオリジナル曲です。
"シシリアン・ブルー"は、途中チック・コリアのチルドレンソングそっくりのフレーズが出てきて、チックの多大な影響が垣間見れる。 "ザ・ギャンブラー"の始まりはまるでモーニング・コールのようなメロディ。
もしかしたらツアーの生活の中からも曲のネタができるのかとほほえましく思いました。

ライブは終始してハッピーな演奏・・・そしてテクニックも凄い・・・まるでオスカー・ピーターソンを連想します。
まさに上原ひろみにしかできない、とても楽しく、レヴェルの高い、エンターテイメント音楽を感じました。

1. Tom & Jerry Show
2. Sicilian Blue
3. B.Q.E.
4. Choux A La Creme
5. Pachelbel's Canon
6. Viva! VEGAS
Enc.Place To Be

L'Image (Mike Mainieri, Steve Gadd
Tony Levin, Warren Bernhardt, David Spinozza)
L'Image photo by Hideo NakajimaL'Image photo by Hideo Nakajima

活動はしたもののレコーディングなく消えた幻のバンドL'Image。
その片鱗はマイク・マイニエリのソロ・アルバムのなかで聴けていたが、今年になってアルバムをリリース。
そしてまさか日本でライブが見られるなんて、今回の東京Jazzはなんともタイムリー。

マイク・マイニエリのバンドというと、Steps AheadのようなSax奏者がいる事が多いのですが、L'Imageの編成はSax奏者不在で代わりにギターが入った編成。
ヴィブラフォンの音が出てくると、もうマイニエリの世界が広がってくるなぁと感じます。
そこに絶妙に入ってくるバーンハートのピアノがなんともたまらない。
ここでデヴィッド・スピノザのギターが、ディストーションのかかった、なかなかブルージーなソロがまた良いんですねぇ。
スティーブ・ガッドは、早くも3曲目"GADD-DDAGIT!"でドラム・ソロを披露します。
トニー・レヴィンの使う楽器は意外なことに、エレクトリック・ベースではなく、ウッドベース・タイプのボディの無いベースでした。
レヴィンはこういうベースでも上手いですね。
そして"THE BRAT"では、スティックを演奏します。レヴィンのスティックといえば、キング・クリムゾン!!
この楽器を演奏するということだけでも、グっと来てしまいますね。

盛り上がったのは"Love Play"。やはり、この曲が一番でした。すごい白熱ぶりでジーンと来てしまいます。
これまでSax奏者入りのマイニエリのバンドは何度か見てますが、"Love Play"は聴いたことがありませんでした。
もしかしてSax奏者がいれば"Sarah's Touch"、Sax不在は"Love Play"と決まっているのかもしれません。
あまりの盛り上がりに、よもやこのままドラム・ソロに突入か?と、深町純とNY AllStarsの再現を期待しましたが、ドラム・ソロはありませんでした。
それでも大満足の演奏です。続けて演奏される"COMING HOME"で、しっとりとライブは終わりました。

もうFusion好きにはたまらないライブでした。
話によるとL'ImageはニューヨークでもLIVEを行い、その時の模様をライブCDとして発売するとか。
こちらも楽しみになりました。(TKO)


番外編:
9月11日に大阪でL'Image単独公演を見た。
"Praise"で始まり"Love Play/Coming Home"で終わる構成は基本的に東京と同じだが、単独公演とあって各人のソロがふんだんに取られていた。

L'Imageの1977年の白黒のライブ映像がDVD「American Drummers Achievement Awards Honoring Steve Gadd」にボーナス映像として約30分収録されているのだが、さすがにこの頃の演奏から30年もたつとメンバー全員、風貌、演奏ともに年をとったなと感じざるを得ない。
東京同様"Love Play"でのガッドのドラムソロは聴くことができなかったが、上記のDVDでは往年の壮絶な"Love Play"でのソロを聴くことができるのでファンは必見だ。

一番のサプライズはアンコールで演奏された「Bullet Train」だ。
マイニエリの「Wonderlust」及びStepsでのレパートリーだが、これだけの難曲をあっさりと演奏してしまうあたりはさすが歴戦のつわもの達である。(橋 雅人)

1. Praise
2. Reunion
3. Gadd-Ddagit!
4. Doesn't She Know By Now?
5. The Brat
6. Hidden Drive
7. Love Play/Coming Home



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Photo by Hideo Nakajima/Rieko Oka
Reported by TKO

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