Nguyen Le「celebrating The Dark Side Of The Moon with Michael Gibbs & NDR Big Band」 ACT Music(9574-2) 2015 - Germany  


Nguyen Le(guitar), Youn Sun Nah(vocals), Gary Husband(drums), Jurgen Attig(e.bass), NDR Bigband conducted by Jorg AchimKuller
  ●骨太いストレート系  ○明るく爽やか系  ○骨太系と爽やか系の中間 
  ○R&B                 ○ブラック系         ○歌物・NAC/AOR 系       
  ○ラテン系(□ブラジル系  □サルサ系        □カリプソ系)           
  ○ユーロ系            ○JAZZ系          ○JAZZとFUSIONの中間系   
  ○ブルース系          ●ロック系        ●ワールド系

ベトナム系フランス人ギタリスト、レの最新アルバムはNDRビッグバンドを従えたピンク・フロイドの「狂気 - The Dark Side Of The Moon」を題材にした作品だ。

フロイドのオリジナルの「狂気」の10曲に加えて間にレのオリジナルが5曲挿入されて一体となった作品として作られている。 元のアルバムが有名過ぎるだけに、それを題材にしてアルバムを作ることはかなりのチャレンジであることは想像に難くないが、レはその難しい仕事を見事に高い次元でこなしている。

オリジナルへのリスペクト、自らの個性、そして何よりも重要なサウンドのクォリティーを見事に昇華させているのだ。 レと言う人は以前にもジミヘンをカバーした「Purple」やツェッペリンやビートルズをカバーした「Songs of Freedom」をリリースしているがロックの有名曲のカバーはどれもかなりカッコいい音を聴かせてくれる。

今回のアルバムの中で最もカッコいいアレンジは「Money」だろう。 レジスターの音から始まるイントロではコインの音をスクラッチのように使い、そこからホーン・セクションを使ったファンクにし、終盤のギターソロでは自らの個性であるアジアン・テイストもしっかりと織り込んである。

マイケル・ギブスが3曲でのアレンジとオーケストレーション全般でサポートしているが、ビッグ・バンドが出すぎずあくまでもバンド・サポートに徹しながらも全体のカラーをコントロールしているという絶妙のアレンジも聴きどころのひとつだ。

レという人、本当に過小評価されすぎていると思う。 (橋 雅人)

   
Slow                     Speedy
Light                     Heavy
Mellow                     Hard
Lyrical                     Cool
Melodious                     Out of melody/code
Conservative                     Progressive/Tricky
Ensemble                     Interplay