KORENOS ライブ・レポート

KORENOS

是方博邦
(guitar)
須藤満(bass)
則竹裕之(drums)

1999.4.2 六本木ピットイン

ツアーで増幅したエネルギー

 是方博邦(G)、須藤満(B)、則竹裕之(Dr)の3人によるギタートリオが「KORENOS」です。私にとっては「KORENOS」は昨年秋のツアー、、今年の1月末に難波弘之(key)を加えた「KORENANOS」を聴いて以来のライブになります。

 結論をいうと、今回のツアーが終わって、トリオとしての魅力がいちだんと増した気がします。昨年には「キーボードがいなくて大丈夫?」と心配しつつ聴いていた部分が残っていましたが、今回はギタートリオというフォーマットに、メンバーも観客もごく自然になじんでいました。ギターがメロディーやソロを弾いているときのギタートリオって、同じメロディーをハモるのではなく、2人で違うメロディーを弾くことになるのですが、これってバッハのフーガみたい。(輪唱みたいなものです。)音がごちゃごちゃしていないのがスッキリとしていい感じです。

 曲目は、トリオ向けのものが増えていて、「トリオのための新曲」が2曲、「Dr.K」や「降り逃げ」といった須藤さんの曲、是方さんのちょっと前のアルバムから「マリアナス」、是方&須藤の観客席への乱入で盛り上がる「グラスホッパーシャッフル」など・・・。

そしてなんといっても、「KORENOS」のイチ押しは「アコースティックコーナー」。私の知る限りでは昨年の9月からはじめたコーナーで、ドラムがスネアとシンバル1枚だけをステージ中央にセッティングし、アコースティックギターと、ギターに似た形のベースの3人で演奏するというもの。この日は是方さんの名曲「Herat of Earth」、そして「My Favorite Things」、「スパイ大作戦」のメドレーでした。楽器が楽器なので音量は小さくなりますが、手数的なことでいえば他の編成のときと変わりません。特にドラムはスネアの叩く場所、打法によって、びっくりするほど多彩な音色を聴かせてくれました。しかも手元がよく見える位置にあるので、観客は釘付け。「スパイ大作戦」でのスピード感、3人のキメのときの緊張感は、息を飲むほど。3人のミュージシャンの魅力を、存分に堪能できたライブでした。

 是方さんはこのライブの翌々日から野獣王国のレコーディングに突入。夏に録音が決定したソロアルバムでは、メンバーは「KORENOS」、そして難波弘之(Key)を加えた「KORENANOS」で録ることが決まったとか。次回の「KORENOS」ツアーは、今年の秋あたりに企画を考えているそうです。(美芽)




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