Dotsero Live Report in Denver




Dotsero
featuring
Stephen Watts (saxophones/wind synthesizers)
David Watts (Guitars)


2010.1.29 Jazz@Jack's, Denver, Colorado

海外の街にくるとジャズ・クラブとCDショップを捜すのが習性になっている。
今回は初めて冬のコロラド州デンバーにきたのだが、そこで思いがけないジャズ・クラブを見つけた。
クラブの名は「Jazz@Jack’s」。デンバーのダウンタウンの中心部、ナイキ・タウンやハードロックカフェが入っているショッピング・モール「Denver Pavilions」の3階というジャズ・クラブにしては珍しい一等地に場所を構えている。昼間に散歩しているときに店の名前を目にして、どんなクラブだろうと店の前にはってある出演者の予定表を見てみると何とネルソン・ランジェルが毎週日曜日に出演しているのを発見。しかもカバーチャージなしと書いてある。

旅程の都合で日曜日のネルソン・ランジェルは見ることができなかったのだが、この店の共同経営者であり、ハウス・バンドだという毎週、金土の晩に出演している「Dotsero」というバンドを見ることができた。9時開演の10分ほど前に店のつき入り口で8ドルのミュージック・チャージを払って中に入ると店内は思いのほか広くて綺麗で、既に70-80人の客でステージ前方のテーブルは全て埋まっていたので、後方のバーに陣取って見ることにした。

定刻から10分ほど過ぎてサックス、キーボード、ギター、ベース、ドラムスからなる5人編成のバンドが登場して始まったのはちょっとスパイロ・ジャイラを連想させるようなキャッチーで切れのいいスムース系の演奏だった。
オリジナル曲中心のステージだが、1stセットの最後にボブ・ジェームスの「Manchester Lady」とサンタナでおなじみの「Oye Como Va」のメドレー、そして2ndセットにはリッピントンズ「Morocco」が演奏されていた。調べて見ると彼らの2000年のアルバム「West Of Westchester」はラス・フリーマンがプロデュースしていたようでリッピントンズとは縁があるようだ。
「Manchester Lady」はEWIでテーマのメロディーが奏でられるアレンジが印象的だった。

コロラド州の地方都市の名前に由来するというこのDotseroの魅力は何といってもリーダーStephen Wattsだ。テナー、カーブド・ソプラノ、EWIを使い分けるが、その明るくウォームな音色と豊かな表現力はバラードナンバーでも熱いファンキーな曲でも思わず聴き入ってしまう。
これだけの力量の地方都市をベースにしたミュージシャンがいるというのはアメリカのジャズ・シーンの層の厚さを再認識させられる。

休憩を挟んで1時間弱のステージを2セットそして最後に15分程度の短い3ndセットが終わるともう12時半になっていたが、時間が経つのも忘れるほど楽しいステージだった。正直なところ地方都市でこれだけのレベルの演奏は全く期待していなかっただけに、嬉しいサプライズだった。
唯一地方らしかったのはバラードのときにおっちゃんとおばちゃんがステージの前でチークダンスを踊っていたことくらいだろうか。 (橋 雅人)




All rights reserved by Cyber Fusion