須藤満 ”FAVOR OF MY FRINEDS 2003”

CD発売記念 Live Report



須藤 満(bass)
米川 英之(guitar)
小森 啓資(drums)
新澤 健一郎(keyboards)

2003年10月24日(金)

東京・Blue Jay Way

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須藤満



 この秋、ベーシスト須藤満が、6月にリリースされたセカンド・リーダー作「FAVOR OF MY FRIENDS 2003」発売を記念した全国ツアーを行った。このアルバムは当然ながらベース・プレイの聴きどころも盛りだくさんだが、ベーシストのソロ作品というよりは、須藤の楽曲を4人でバンド・サウンド的に演奏した迫力ある内容になっている。
 秋のツアーは北海道から九州までを訪ねるハードな日程で、東京公演の会場となったのは原宿にオープンして間もない「BLUE JAY WAY」。100人程度が収容できる居心地よい空間で、ライヴハウスにしては珍しく、白や木目を使った内装が明るい印象だ。音響のほうも、各プレイヤーの音がよく聞き取れる良好なものだった。
開演直前の楽屋にて。左から新澤、米川、小森、手前が須藤
 この日のメンバーは須藤満(b)、アルバムにも参加している米川英之(g)と小森啓資(ds)、ツアーから参加の新澤健一郎(Key)の4人。オープニングは、サッカーJ2のモンテディオ山形のオフィシャル・テーマソングとなっている〈Rushing Spirits〉からスタート。華やかでスピード感にあふれたナンバーで、早くもディストーションをかけた米川のギターが炸裂する。この日、こうしたノリのいい須藤ナンバーは他にも演奏されたが、どのメロディも実にキャッチーなのだ。それを米川がロック色の強いギターでエネルギッシュに弾くと実に見事にハマっており、それを小森−須藤という骨太でフットワークのいいリズム・セクションが支え、新澤が色付けをする。こうした緻密でエネルギッシュな楽曲を11泊12日といったツアーで演奏してきたわけだから、ライヴ・パフォーマンスの緊張感や集中力には圧倒的なものがあった。
 さらにこうした疾走系のナンバーだけではなく、〈Where are you going〉では、須藤がハーモニクス奏法で曲の前半をリードし、後半には米川の「泣き」のギターがうなりを上げる。落ち着いたテンポのなかにも強靭な何かが表現されており、非常に印象的だった。
 ライヴ終盤には、須藤がベースソロの途中で客席へ降りてベースを演奏し、なんと米川まで客席に突入したのには驚かされた。観客が狂喜乱舞し、会場が大変な興奮に包まれたのはいうまでもない。

 コンポーザーとベーシストとしての魅力を兼ね備えている須藤が、こうして全国各地のライヴハウスで精力的に公演を行っているのは、フュージョン・ファンとして嬉しい限りだ。(山本美芽)

客席に乱入し、ベースソロを弾きながら
椅子の上を飛び移る須藤


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