Dimension 2002 Live Report



勝田一樹(sax)
小野塚晃(keyboards)
増崎孝司(guitar)
納浩一(bass) 28日のみ
石川雅春(drums)

BLUES ALLEY JAPAN 2002.6.28

(右の写真のベースは納浩一ではなく青木智仁)


Dimensional-2002 Special 3DAYS GIG と銘打たれメンバーそれぞれを1日づつフィーチャーしたライブが6月に行われました。今回はキーボードの小野塚晃を中心にフィーチャーし、いつものディメンションとは一味違う演奏が聴けた2日目の様子をお伝えします。

超満員のDimension小野塚晃 nightのライブは,アコースティックで,PAを使わない第一ステージとDimensionフルメンバーによるエレクトリックな第2ステージという構成でした。

Dimensionのファンは,アコースティックなサウンドをあまり聞いたことがないので, 是非,聞いて欲しいのでこのようなプログラムにしたそうです。

最初は,ジョンコーツ・ジュンマかだれか忘れましたが,ジャズ的ではないのですが,すばらしい小野塚晃の独奏からライブがスタートしました.前の時も思ったのですが,目黒のBlues Allayのピアノは,Stainwayという私の憧れのピアノなので,PAを通さずに聞いてみたいと思っていたところ,この演奏だったので感動しました.スタインウェイは,実際に弾いている音よりもなんかエネルギーが集中していると言うか遠くまで明確に聞こえるのですね.特に,低音がいやらしくならず奇麗でした.これは,ライブハウスの関係からかな?この曲は,おとうさんが昔海外から買ってきてくれたCDかレコードかだそうでした.曲名は,本人も忘れたとのことでした。

小野塚晃の独奏はとってもすばらしくて,あの彼の丸い?体の感じの通りの?すばらしい音楽で「暖かい拍手」をしたくなるのでしょうね.テーマは「春」.梅雨だからこそ,「春」ということで,春を思い出させる音と言えばいいかもしれません。

2曲目は,「薫風」で.小野塚晃とベースの納浩一のデュオです.ここまでくれば,意図が感じられますよね.本当に柔らかく春風を感じさせるすばらしい演奏で,アコースティックベースの音とPAを通さないピアノが素晴らしい音の絡み合いで素敵でした。

3曲目からは,ドラムスの石川雅春が参加してのトリオでした.「I'm remember April」 これはとってもやわらかく入ってますます春ってサウンドになりました。

4曲目は,「花」.小野塚晃の曲ですが,日本の童謡をジャズに集めていた曲の一つで,CDを作ろうとしたけれどボツッている企画の中の1曲だそうです.「春のうららの隅田川」が原曲です.たぶん,原曲はまだまだ東京にも田畑が残っていた頃の隅田川でしょうけれども,この「花」は,ジャズアレンジで少しかっこいいので,現代東京の首都高と高層ビルに流れる隅田川ってところでしょうか?でも,そこには,トリの声も聞こえてくるし,やっぱり,東京都民にいまなお潤いを与えている隅田川なのです.隅田川は夏の花火大会が有名ですね.今でも都民の憩いの川です。

5曲目は,「Two Step Song (by Onozuka)」で,MPS.COMでも聴くことができる曲だそうで す。

そして,6曲目は,ミッシェル・カミロの曲でとっても難しい曲なのですが,それがライブを盛り上げてファーストステージ終了。

第2ステージは,ディメンジョンの2人が登場で,エレクトリックサウンドに変わりました.新しい曲としては,2曲目に小野塚晃の2002年のM3,つまり3曲目の作曲というまだ題名のない曲が素敵でした.北海道の礼文島と利尻島をイメージした曲でした.小鳥の声が聞こえてきそうな美しい曲でした.3曲目は一転してチャーリーパーカーで,勝田一樹がこんな箱モノを使ってやったらパーカーは怒るかな?それともいやいやパーカーだから真っ先に使うというジョークを良いながら,増崎孝司から借りたと言うエフェクターを紹介して,スイッチ一つでサックスの音が変わるといいつつもスイッチを押しわすれてディレイの音の効果はありませんでしたが,なかなか力の入った素晴らしい演奏でした.それからディメンジョンの「ジャズシガレット」.本当に増崎さんはたばこが好きなのか演奏中にあんなにたくさんよく吸えますね ^^;

5曲目はガーシュインのラプソディー・イン・ブルー.小野塚さんが昔エアチェックして初めてたぶんカセットかなんかに録音したのですが途中で切れてしまって肝心のアドリブ部分が無くなってしまったので,曲をコピーするのに初めてそこだけはインプロビゼーションしたというジャズの入門の曲だということで,とっても面白いアレンジでした.私の方はクラシック版と寺井尚子版しか知らなかったので,なんとなく静かな曲をイメージしていたのですが,すごくエネルギッシュなガーシュインでこれはこれですごくいいなって思いました。

アンコールは.なんとまず,ピアノのソロでブルーモンク.それからフルメンバーでセカンドディメンジョンに入っている「Running from Zero」で幕を閉じました。



Dimension Live Photo courtesey from Dimension
Text by Shigeo Sugita
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