---- Miission Impossible #003 Micro Stone スタジオリハ潜入リポート ----

200X年某日、我々の組織にMicro Stoneが都内某所でリハーサルを行うという情報が舞い込んできた。
申し遅れたが、私は国際的なネットワークを誇る正義の味方の諜報員である。
コードネイムは、「O157(オーイチゴウナナ)」である。
世間を騒がした食中毒の病原菌と同じ名前だが、「A」から各国に順に振られたコードネイムである。
たまたま私がそれだった訳で、意味はない。

話は戻るが、キャップの「アスワン」から ' Micro Stoneの顔写真を撮ってこい 'との指令を受けて早8ケ月。
未だその影さえも踏めない状況であったが、ようやくここまでたどり着いた。

スタジオ付近を念入りに調べ、スタジオ前の水道工事屋の2階を借りて彼らを待った。
スタジオを見張っていたがハタッ!!と気がついた。

「彼らの顔を知らないのに見張ってどうするんだ!!」

出入りする人間は沢山いるが、どれが彼らかわからない。
あぁ、なんてこった、初歩的なミスを犯してしまった。
しかし頭脳明晰な私は、あるアイディアが閃いた。

変装してスタジオへ潜入すれば良い ! ! 」

 我ながらグッドアイディアだ。
水道工事屋のオヤジを買収し機材を借りて、トンカチに小指の爪程の超小型カメラをセットしてスタジオへ乗り込んだ。

「あのぉ〜水道局ですが、水道から黄色ブドウ球菌が見つかり調査してます。
ちょうど発生源はここら辺だと推測されますが、調べて良いですよね」


黄色ブドウ球菌
はいまや、黄門様の印籠と同じ効果があるはずだ。
だてにニュースステーションは見ていないぜ、、
予想通り許可が出て潜入を試みた。

「すいません、水道局ですが、このスタジオの壁の配管を調べさせて下さい」
「どっ、どうぞ、、練習してても構いませんか」
「あっそのままでやって下さい。ご迷惑をおかけしませんから」

しめしめ、疑っていないな、、、、相手は無警戒だ、、、チョロイもの、、、、、、

スタジオへの潜入は成功。二人のリハが始まった。
彼らの「Beats are ready」からの曲だ。
そこは諜報部員、前もって調べている。インターネットの24h放送もチェック済だぜ。
どうやらターゲットの二人は、MDからキーボードやギターの音を流している。
ドラムはヘッドフォンでクリックを聴いているようだ。ドラムのリズムに合わせてベースを弾いている。

うっ、、まさに、CDで聴く世界ではないかぁ、、、あっ「BUMPS」だあ、「RE-CLOCK」だぁ、、、、、
思わず足でリズムを取り、我を忘れて見とれていた。

その時、彼らと目が合ってしまった。
彼らは私を不思議そうに見ている。
正体がばれたかぁ、、、、、あせって工具を取り出し、トンカチで壁を叩いた。
一心不乱に壁を叩いた。
横目でチラリ彼らを見た。
演奏に戻っている、、、、、、、ばれなかったようだ。(ホッ) 一時はあせったぜ。
町田氏のドラムとシラキ氏のスラップでリズムを取りながらトンカチを壁に打ちつけた。
なんてグルーブなリズムなんだろう、、、水道局に変装してきたのは正解だったな、、、、、
我ながらほくそ笑んでしまった。
天才とは俺のことなんだろう。
こうなったらジャムセッションしてやろう。
「演奏は君だぁ〜パーカッションは僕だぁ、、、、、、」
うっ、、楽しい、、今回のミッションはなんて楽しいんだ、、

しかし、至福の時は永遠に続かなかった。

懸命な諸君なら、もうお分かりだろう。

トンカチに隠しカメラを仕込んでいたのを忘れていた。
パーカッション替わりに思いっきり壁に打ちつけてしまった。
今回のミッションは写真を撮ることであったが、つい楽しんでしまった。
恐る恐るトンカチのシャッターを触れてみた。
「カッシャッ」という振動が指先に伝わった。

「シメタ!!壊れていない!!」
壁に空いた穴の中を調べるフリしてシャッターを切った。夢中でシャッターを切った。

...............

そんなこんなで彼らのリハが終わった。
諜報員が直接ターゲットにアプローチすることは許されていないが、思わず聞いてしまった。

「ライブの計画あるんですか?」

「具体的なことは決まってませんが、現在準備中です。
でも、やるからには納得が行くカタチになってからやりたいんです。」

「サポートメンバーはどうするのですか?」
「キーボード、イベンター、サポートスタッフ以外は、だいたい当てはあるんですが。」

おぉ!! キーボード! チャンス!今から練習すれば彼らの中に入れる。
いや、待て! 幼稚園の時を思い出せ! YAMAHAオルガン教室で、黒鍵を使うステップに入ったら
だだをこねて辞めてしまったではないかぁ。
俺には黒鍵を使うスケールは無理だ。

そうだ、キーボードを募集してもぐり込ませればいい。
そいつから情報を得れば良い!!
 
Micro Stoneはキーボード、イベンター、スタッフを募集している。
我ぞと思う者は彼らにアクセスして欲しい。
我々の組織にも連絡をして欲しい。トンカチを進呈、いや、小型カメラを進呈しよう。

...............

そんなこんなでミッションを終え、フィルムを現像した、、、、、、、、、、、
.......なんだ、こりゃぁ!(松田優作風) 鮮明に顔が写っている写真が一枚もない!!
全部フィルターがかかったようになっている。
まずい、取り敢えず写真に誰を写したか名前を入れてごまかしてしまえ!
こうすりゃトンカチにカメラを仕込んで衝撃を与えたことはばれないだろう!!
いや、このことは絶対にばれないが、撮影失敗は誰がみても明らかだ。
、、、このまま載せちゃえ!!チャンスはまだあるさぁ、、、、、、、、、

----------以下、調査報告内容 (議事録付き)------------


アスワン : なんだぁこれは!!
O157 : スタジオの電磁波の影響です
アスワン : レンズにヒビが入っているんかぁ、右の絵は顔が写っていない
O157 : ........
アスワン : ........
O157 : ライブを行ったら次は........

では、クビにならず次のミッションでお呼びがかかったら、又お会いしよう。(by O157)

Micro Stone
Reporter 「O157」 、Photo by 「O157」
監修 : アスワン
 参考 : 吉本新喜劇
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