梶原順 Interview

渡辺貞夫グループ、本田雅人Bandなどで活躍するギタリスト梶原順が25年のキャリア史上初のソロアルバム「EVER」を12月12日にリリースする。

その初のソロ・アルバムはアコースティックとエレクトリックを1枚づつに分けた2枚組で、彼のキャリアにふさわしくそうそうたるミュージシャンが参加した贅沢なアルバムとなっている。

今回はそのニュー・アルバムについての梶原順のコメント、そしてインタビューを紹介しよう。


〜梶原順のアルバム紹介より〜

 この度、Brand-New Music から自身初のソロアルバムをリリースすることになりました。音楽生活も26年を迎え、ようやく地に足が着いてきたように思います。

 そんな時期に去年今年と、長年共に進んで来た大切な音楽の同志を失うということが続き、僕の足もとがぐらつく感触を抑えられなくなった時に、新たな気持ちでの音楽活動を後押ししてくれたのはやはり同志のミュージシャンのみなさんでした。彼らと共に自分の音楽を形にしてみたい、というのがこのアルバム制作の発端でした。と同時に、特に浅野祥之さんと切磋琢磨して築いて来たものの延長線上にいる自分を確認し、見つめ直した上で、次の一歩を歩み出したいと…。

 それらの想いを持って制作を進めるうちに、自分の内面と向かい合うような楽曲が多いアコースティックギター中心のものと、外に向かってエネルギーを放出するような楽曲の多いエレクトリックギター中心のものをそれぞれ別のディスクに収めた2枚組として完成させることに至りました。

[ inside ]と名付けたディスクはアコースティックギターサウンドで、僕一人の多重録音でその音世界を作ったものが多く、実際にレコーディングにおいて自分自身と向き合いながら制作を進めることになりました。

[ outside ]と名付けたディスクはエレクトリックギターサウンドで、僕の大切な音楽仲間たちとライヴでの演奏の時のように音の化学反応を楽しみながら思い切り気持ち良くギターを弾きました。

 僕の人生においてこの時期に、このような意義のあるアルバムをリラックスした環境で楽しみながら創ることができ、この「EVER」を皆さんに聴いていただけることを心から感謝します。どうか皆さんにも楽しんでいただいて、いつまでも愛聴盤として手元においていただけますように。



Ever
ー 先ずは率直にアルバムが出来上がった時の感想を…

梶原順(以下Jun):  初めてのソロアルバムなのですが、力まず楽しみながらできたなぁ・・・と。

ー プレイヤー梶原順の“キャリア25年初の…”と聞くと今までソロのアルバムを出していなかったのが不思議に思うのですが、さまざまなユニットとしてのアルバムはリリースしながらソロアルバムを出さなかったのには何か理由があるのでしょうか?

Jun: もともと、自分で「仕切る」というよりは、友人たちと共に作り上げる喜びのほうが性に合っていたので。

ー “梶原順の初ソロアルバム!”と聞くと先ず当然参加ミュージシャンはどんな人だろう?と思ってしまうのですが、初めからある程度決まっていたのですか?

Jun: う〜ん、そうですね…ある程度のイメージはありましたが…明確ではなかったです。

ー それは各曲に合わせたミュージシャンの選択でしたか?それともミュージシャンに合わせた曲の選択でしたか?

Jun: 今の僕にとって大切なミュージシャンはもちろんたくさんいるのですが、スケジュール的に都合の合わない方もいました。曲をより良く、表現するために…という発想で、曲ごとに参加ミュージシャンをイメージした上でアレンジしなおして、お願いしました。曲ありき…です。

梶原順 Profile
1961年8月25日生まれ。 1981年、プロとしてのキャリアをスタートさせる。
その後、マリーン、山本達彦、角松敏生、といったライブをサポートする傍ら、本田雅人、石川雅春らとWITNESSを結成。アルバム「WITNESS」をリリース。
1990年以降、スタジオミュージシャンとしての活動は多忙を極め、参加した楽曲数は計り知れない。平行して数々のセッションライプ、ツアーもサポートしてきた。
また、自身の音楽を求め、「J&B」「JとB」「Bluer」「SOURCE」といったバンド活動も行い、それぞれアルバムをリリースしている。
現在はスタジオワーク、セッションライブに加え、「渡辺貞夫グループ」 「本田雅人Band」の活動、そして自身のソロ活動、また洗足学園音楽大学講師、YAMAHA音楽院講師として後輩の育成、4CREATOR.com(オンライン・ギター・レッスン)の監修を手がけている。

ー 今回のアルバムは2枚組でそれぞれ“inside(アコースティックギター)” “outside(エ レクトリックギター)”と明確にコンセプトを分けていらっしゃいますが、J&Bと、JとBのようにアコースティックとエレクトリックのアプローチはいつもご自身で明確に分けているのですか?

Jun: 明確ではありません。気分です。

ー ライブなどでの“気合の入れ方(笑)”はどう違いますか?(レコーディング等もinside はご自身の多重録音outsideはセッション的な録音をされたようですが)

Jun: これも、その時の気分です…聴こえて来た音に対してどういう気持ちになるか、もしくはどう反応するか…です。そのときにならないとわかりません…

ー …ぶっちゃけどっちが好きですか(笑)?

Jun: どっちも大好きです。日によって違うかな…

ー ご自分がメインとなるユニットのライブとサポートメンバーとして演奏するライブでそれぞれ一番心がけている事は何ですか?

Jun: 曲ありき。あとは、感じたことが素直に音になってくれれば…

ー 初めてギターを持ったのは中学2年生の時と聞きました。それまでピアノをされていて、ギターに触れたきっかけは?

Jun: 親父が買って練習しようとしていたガットギターを押し入れの奥に見つけたのがきっかけです。

ー ギタープレーヤーでもっとも影響を受けた(又は好きな)アーティストは?

Jun: 最も…というのが自分ではよくわかりません。たくさん居過ぎます…

ー ご自身が「ギターで食っていく!」と決心されたのはいつですか?またそのきっかけになるエピソードなど…

Jun: 高校二年の終わりくらいだと思います。自分でも、何故だか分からないのだけれど、紅白で歌っている森進一さんに感動して…。受け手ではなくて送り手になりたい…と。

ー もしもギタリストになっていなかったら今頃は?

Jun: どうなってましたかね??気象庁とかに勤めてみたかったです。
もしくは、心理学とかカウンセリングとかには興味がありました…。

ー ギタリストの醍醐味は?

Jun: ギタリストというよりも、音楽を生業にできている事が幸せそのものです。

ー 自分は客観的にどんなギタリストだとおもいますか?

Jun: バランス重視型ギタリスト。

ー ギターの講師などもされていらっしゃいますが教えるときに念頭に置くものはなんですか?

Jun: とにかくリズムを大切に。あと、教えるなんてことはできなくて…先輩としてのアドバイスって感じです。

ー ご自身がギターを学んでいた頃と比べて昨今のギター小僧(笑)はどうですか?

Jun: めっちゃくちゃ上手!!です。でもいくつかのスタイルに集約されてしまっているというか…似通っている人が多く感じます。多分、皆の得る情報が同じなのでしょうね…

ー 今後どのような活動を考えていらっしゃいますか?

Jun: まずはギター、ベース、ドラムでのトリオの活動を中心にしばらくは…
次作の構想ももうできています!これはまた違う展開になります…秘密です!

ー これからの予定を教えてください(ライブスケジュールなど)

Jun: 年末にトリオで関西を回ります。1/27はイクスピアリでスペシャルライブです。 セッションもいろいろあります。

ー どうもありがとうございました。



梶原順 Live Schedule
JK Trio 
2007年
12月16日 横浜 Hey-JOE
12月22日 名古屋 得三(TOKUZO)
12月23日  広島 Live CAFE Jive
12月24日 尾道 OYE COMO VA
12月25日  京都 都雅都雅(トガトガ)
12月27日  神戸 WYNTERLAND
12月29日  博多 TUPELO
メンバー:梶原順(G)、川内啓史(B)、小笠原拓海(Dr)

12月19日 小坂明子@新橋ヤクルトホール
White Pianish Garden 〜クリスマスローズの日〜
The 35th ANNIVERSARY Special Concert
小坂明子(Vo)、渡辺直樹(B)、梶原順(G)、松下誠(G)、川瀬正人(Per)

本田雅人 MASATO HONDA  Count Down Live 〜寄せ鍋風〜
12月31日 東京 スイートベイジル139
メンバー:本田雅人(sax)松本圭司(Key) 梶原順(G) 川内啓史(b) 小笠原拓海(ds.)、B.B.Station(New Tide JazzOrchestra 風) 他

藤本隆宏+小坂明子 「Open My Door」
2008年
1月5日 南青山マンダラ
藤本隆宏(vo) 小坂明子(pf&vocal) 渡辺直樹(bass) 梶原順(guitar)

角松敏生 "Player's Prayer" RETURNS
1月10,11日 松江 eurus
1月13日 高松 DIME
1月14日 高知 BAY 5 SQUARE
Version/T's Land:角松敏生(G・Vo)・山内薫(B)・友成好宏(Key)・大儀見元(Per)・梶原順(G)

1月19日 仙台 ZIPP sendai
2月16日 新潟市民芸術文化会館・劇場
2月17日 前橋市民会館 大ホール
Version/Tripod:角松敏生(G・Vo)・小林信吾(Key)・友成好宏(Key)・森俊之(Key)・梶原順(G)

梶原順&是方博邦
1月18日 目黒ブルースアレイ
梶原順(G)、是方博邦(G)、バカボン鈴木(B)、鶴谷智生(Ds)

梶原順 ソロライブ
1月27日 舞浜クラブイクスピアリ
メンバー 本田雅人他

JK Trio SE
2月15日 新潟ジョイアミーア
梶原順(G) バカボン鈴木(B) 鶴谷智生(Ds)

梶原順 公式サイト





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