Christmas CD Special 


12月・・・クリスマスの時期到来である。CD屋に行けば、どこもかしこもクリスマスCD特集コーナーが設置され、いやおうなく季節を感じる。 

しかし、以前はクリスマス・アルバムが嫌いだった。なんで大物ミュージシャンがそろいもそろって「♪ジングルベール、ジングルベール」なんてやらなきゃイカンのだと思っていた。 
しかし、7年前に聴いた1枚のアルバムが僕をクリスマス・アルバム好きに変えてしまった。 

「Holiday」Russ Freeman (GRP GRD-9826)が、僕をクリスマス・アルバム好きにした張本人です。 
ふと聴いたこのアルバムを最初はクリスマス・アルバムとは思わなかった。確かに1曲目の"Carol of the Bells"はまさにクリスマス・ソングなのだが、アレンジがうまく効いていたので最初は気づかなかった。 
そしてその曲が静かにフェイド・アウトすると、それに導かれるように2曲目"Faith"がドドーンと始まる。ここが大好き。
"Faith"はその後Rippingtons「Brave New World」で再演されたけど、個人的にどうも"Carol of the Bells"が先に来ないとシックリ来ない気がしてます。 
それとこのアルバムには"Holiday"という最高の曲も入っている。イントロが出ただけで気持ちが澄んでしまう凄い名曲に思う。 
もちろん、このアルバムには他にまさにクリスマス・ソングといった曲も入ってる。 
それら好き曲にかこまれてクリスマス・ソングも一緒に好きになってしまったのだろう。 
He Is Christmas
by Take 6

それでその年以後はこの季節になるとクリスマス・アルバムをなにか買うのが恒例になってしまった。 
そのなかでオススメなのが、Take6の2種類のクリスマス・アルバム。 
先に出たのが「He is Christmas」Take6(Reprise WPCR-2523)で1991年吹き込み。 
その8年後の1999年に出たのが「We wish you a Merry Christmas」Take6(Reprise 9362-47391-2)。 
いずれもコーラスがキレイで、とても暖かい気持ちにさせられる。 
いまやTake6と言ったらポピュラー界での人気ボーカル・グループだが、最初のクリスマス・アルバムが出た頃はむしろJazz雑誌にも良く取り上げられていた。 
いずれにしろ、この2枚はどちらがということもなく、出来れば2枚ともそろえたい。 

それと、なんだかんだ言ってもKenny Gのクリスマス・アルバム。 
今年も新作クリスマス・アルバムが出て計3枚も作られるだけあって雰囲気は抜群だし、嫌いな人も多いようですがことクリスマス・アルバムは認めても良いのでは?と思います。 
Miracles: The Holiday Album
by Kenny G

と言っても、自分も1枚だけ「Miracles The Holiday Alubum」Kenny G(ARISTA BVCA-653)これだけですが結構堪能してます。 

また、Saxということなら「Breath Of Heaven」Grover Washington Jr.(COLOMBIA CK68527)。 
こちらは、ややクリスマスから離れてR&Bが入りますが、最後の方でグローバーがソプラノSaxでシンミリ吹くのがなかなか泣けます。 

ボーカルものは数多くありますが、「Baby,It's Cold Outside」Holly Cole(Alert 6152810382)はアンニュイな雰囲気がいかにもクリスマスで好きです。 
また、「Um Novo Tempo」Ivan Lins(Abril Music 1107019-2) は陽気で明るく、ブラジルの南半球でのクリスマスはこういう雰囲気なのかなぁと思うのが楽しいです。 

最後にちょっと離れますが「The Venture's Christmas Alubum」(東芝EMI TOCP-8685)の、なんというかチープなエレキ・ギターの音がなかなか良いんですよ。 
ちょっと・・いや、かなり俗っぽいのですけど、こういうクリスマス・アルバムもい「なぁ・・と。 

クリスマス・アルバムはまだまだ数多くあるんですよね。毎年買っていっても間に合わないくらいに・・。 
みなさんも毎クリスマスになにか1枚いかがでしょうか?(笑) 

(TKO) 

Snowbound
by Fourplay

クリスマス・アルバムと言っても私の場合、クリスマス時期に買わないほうが多い。あんまりクリスマスって気にしてないので、後から音楽的興味だけで、「あっ、こんなCD出てたのか。」という具合に買うことの方が多い。そんな中で数少ないクリスマス時期に買ったCDがFourplay「Snowbound」だ。(Warner Bros 9362-47504)「サンタクロースがやって来る」などいかにもクリスマス・ソングという曲もあるのだが、半分くらいは上質なスムース・ジャズ。「Amazing Grace」なども入っていて別にクリスマスじゃなくても楽しめる。最後に入っている曲が「蛍の光」で、アメリカでは「蛍の光」ってクリスマスソングなんだという意外性と、この日本人として刷り込まれてしまったお馴染みのメロディーをLarry Carltonがいかにもカールトンというトーンで弾いているので何か妙な気がする。

Larry Carltonと言えば、自分の名義でも「Christmas At My House」というクリスマス・アルバムをだしている。こちらはアコースティック・ギター中心にもう少しオーソドックスにクリスマスな雰囲気。タイトルが「At My Home」というだけあってカールトンの奥さんが3曲歌っていてジャケットの内側にはカールトン一家の写真が写っている。
World Christmas

また1枚のアルバムとして一番好きなクリスマスものは「World Christmas」(Metro Blue CDP7243 8 36928 2 8)というオムニバス・アルバム。タイトルから想像がつく通りワールド・ミュージック系で、参加ミュージシャンも豪華かつバラエティーに富んでいて、ジョンスコ、カリビアン・ジャズ・プロジェクト、ジルベルト・ジル、ジュシュア・レッドマン&マーカス・ミラー、ボブ・バーグ&ジム・ベアード、ジプシー・キングス、アンジェリク・キジョーなどなど。全体の雰囲気はアフリカ、カリブ海などのトロピカルでいわゆるクリスマス・アルバムとはかなり違うので、クリスマス時期じゃなくても違和感がなくて夏にも棚から引張り出してきて聴いていることもあるアルバムです。

では皆さんも、よい音楽でよいクリスマスを! (橋 雅人)