The Baked Potato Live



(2002.07.04)

★ベイクド・ポテトよりライブを配信★

ロスアンゼルスのノース・ハリウッド、ユニバーサル・スタジオの近所にある、フュージョンのメッカとも言えるライブ・ハウス「ザ・ベイクド・ポテト」でのライブの様子がブロードバンド対応のストリーミングで配信されることになった。

ザ・ベイクド・ポテトは70年代からLAフュージョンの中心的な存在をはたしてきたライブ・ハウスだ。過去にはリー・リトナー,ラリー・カールトン、TOTOの面々などLAフュージョン・シーンを代表するアーティストが出演している。筆者が実際にザ・ベイクド・ポテトで見たアーティストを上げるだけでも、ラリー・カールトン、スティーブ・ルカサー、マイケル・ランドウ、フィル・アップチャーチなどそうそうたる顔ぶれだ。しかもザ・ベイクド・ポテトの魅力はとにかく小さいこと。50人くらいしかキャパがないのではないかと思われるような信じられないほど小さなスペースで超一流ミュージシャンのライブを楽しむことができる。
70年代、80年代にフュージョン・シーンを形成してきた店の多くは既にクローズしてしまったが、ザ・ベイクド・ポテトは今でも70年代と全く変わらない決してお洒落とはいえないひなびた店構えで営業を続けている。

今回ザ・ベイクド・ポテトでのライブの様子を配信開始したのはソニーの関連会社のAII株式会社で第1回は「Tom Brechtlein with the Rhythm Dogs」のライブ2曲が配信されている。トム・ブレックラインはロベン・フォード&ザ・ブルー・ラインのドラマーでバックにはチック・コリア・エレクトリック・バンドにいたマイク・ミラー、ジミー・アールが参加している。7月18日からの第2回配信はマイク・ミラーのバンドが予定されていて、今後は月2回のペースで更新していき、月500円の有料配信となる。

このサイトの立上げの経緯などをソニー・AII株式会社のご担当の方より聞くことができた。

私が初めてノースハリウッドのお店に行ったのは、ヴィニー(カリウタ)から、今日出るからおいで!と誘われて観にいったThe Dyno Fourでした。(2年前)
いきなりAbeがベース弾きながら飛び跳ねるわ、Vinnieはドラムを壊さんばかりの勢いで叩きまくるわ・・・そういうThe Dyno Four(Vinnie Colaiuta,Greg Mathieson, Abraham Laboriel, Michael Landau)を目の前で見たのですから、そのショックは想像いただけるかと思います。
こんな音楽があったんだ・・・としばらく呆然としました。
その後、ブルーノートにも何度か通いましたが、やはりthe Baked PotatoのようにStudio City やVan Nuysに住むミュージシャンが自分の家から車で10分走ってきてジャーンってギグるっていうのとは、彼らにとっても気軽さが違いますよね。
こんな凄いミュージシャンたちの"普段の姿"を日本のみなさんにもご紹介できたら、そしてもっともっと彼らの音楽が日本でも気軽に楽しめたらいいなあ、という思いで、the Baked PotatoのオーナーのDon Randiに今回の配信の話を提案しました。
Don自身がミュージシャンですから、一人でも多くの日本のリスナーにミュージシャンの音楽を聴いてもらえる環境をつくる、ということはすぐに賛成してくれました。ただ、the Baked Potatoもスタッフが大勢いる訳ではないので、日米のコミュニケーションをどうするか、このコンテンツをどうまわしていくか、ミュージシャンらにどう説明するか、フォローするか等まだ手探りでやっています。
今後は映像や音をさらに向上させたり、ファンのみなさまの投票でDonにブッキングをお願いしたり・・・日本のリスナーのみなさまが1コイン(有料は500円/月を予定しています)で色んな音楽が楽しめる環境は是非続けていきたいなと思っています。
the Baked Potatoには日本では超有名ではなくても、Donのお目がねにかなった粒ぞろいのバンドばかりが出演しているので、リスナーのみなさまには「騙されたと思って」色々なバンドを聴いてもらって、気がついたらあるバンドが凄く気に入ってしまった・・・という嬉しい誤算を是非してもらいたいです。
このサイトは、色々な会社、グループの方々と一緒に楽しみながら展開して行きたいと思っていますので、みなさまよろしくお願いします。

ネット上での数少ない生のフュージョン情報を発信してくれるサイトだけに今後の展開に期待したい。(橋 雅人)

ザ・ベイクド・ポテト・ライブ





Photo courtesy from AII Inc.