川口千里「Buena Vista」 ベガ・ミュージックエンタテインメント(MOCA-1846) 2014 - Japan  


川口千里(drums), Brian Bromberg(bass), Michael Thompson(g), Uli Pahlke(tp), Luis Conte(perc), 安部潤(kb), 西込 乗二(compose,arrange, prrodece,program, perc), James Genus(bass), Koh Mr.Saxman(sax), Philippe Saisse(kb), Pino Palladino(bass), Dorian Saisse(tp), John Pena(bass), Darryl Williams(bass), 松野 "Kay-Ta"啓太(g), Greg Manning(kb), 田中晋吾(bass), 櫻井哲夫(bass), Gustavo Anaclato(s.sax), Lisa Dondlinger(violin), Giovanna M Claytont(cell), Jorge Villanueva(perc), Jonathan Fritzen(kb)
  ○骨太いストレート系  ○明るく爽やか系  ●骨太系と爽やか系の中間 
  ○R&B                 ○ブラック系         ○歌物・NAC/AOR 系       
  ○ラテン系(□ブラジル系  □サルサ系        □カリプソ系)           
  ○ユーロ系            ○JAZZ系          ○JAZZとFUSIONの中間系   
  ○ブルース系          ○ロック系        ○その他

早くも2枚目、しかもLA録音となるドラマー、川口千里のリーダーアルバムだ。
大高清美との双頭ユニットKIYO*SENも含めると相当ハイペースなアルバムリリースである。

LA録音ということで参加ミュージシャンもかなり豪華だ。
1曲目から超絶技巧派ベーシストのブライアン・ブロムバーグと組んだリズムセクションで派手なホーン入りのアップテンポでノリのいいファンクを聴かせてくれる。
初回限定のDVDの中で川口本人が語っているようにLA録音ならではの抜けのいい音が心地よい。
曲調といい疾走感といいデイブ・ウェックルのデビューアルバム「Master Plan」の1曲目を連想させるような雰囲気だ。
ブロムバーグとは後半でも「Real Life」で共演しているが、こちらでは硬派な曲調で、ベースのソロそして、ルイス・コンテのパーカッションとドラムスの掛け合いが聴ける。

2曲目はブレッカー・ブラザーズや小曽根真との共演でしられるジェームス・ジナスを迎えてスムース系の曲。
次のフィリップ・セスとの共演曲やアンナケイが歌い、T-Squareのサポートを続ける田中晋吾がベースで参加の唯一のヴォーカル曲「All This Love」などLA録音ということを意識してかスムース系の曲も織り交ぜられているのだが、曲の後半部ではしっかりとドラムで盛り上げていくという構成になっていて、ただバッキングに徹しますというドラミングではない。

元カシオペアの櫻井哲夫そしてLAの売れっ子セッションプレイヤーのルイス・コンテがパーカッションという組み合わせでアイアート・モレイラの「Tombo7/4」をカバーしているのだが、これがまたスピード感たっぷりでカッコいい。
この手のテンポの速いラテン系の曲に手数の多さがぴったりはまっている感がある。そしてこれだけ叩きまくりながらもグルーヴはしっかりと気持ちいい。
今後もこの手の曲をもっと取りあげてほしいと思わせる。

それにしてもとてもじゃないが17歳とは思えない充実ぶりで、おなか一杯になってしまうような1枚である。
早くも日本を代表するドラマーの一人と言ってしまっても問題ないだろう。 (橋 雅人)

   
Slow                     Speedy
Light                     Heavy
Mellow                     Hard
Lyrical                     Cool
Melodious                     Out of melody/code
Conservative                     Progressive/Tricky
Ensemble                     Interplay