Russ Freeman「Drive」ビクターエンタテインメント(VICJ-60994)2002- Japan   
 Russ Freeman(gt, key) Chris Botti(tp) Barry Eastmond(key) Bill Heller(key)
Jeff Lober(key) Eric Marienthal(sax)
<M9> Jason Miles(key) Will Lee(bs) Jeff Mironov(gt) Buddy Williams(ds) Pablo Batista(per)
○骨太いストレート系 ●明るく爽やか系  ○骨太系と爽やか系の中間
○R&B系 ○ブラック系 ○歌物・NAC/AOR 系
○ラテン系               ( □ブラジル系  □サルサ系  □カリプソ系 )
○ユーロ系  ○JAZZ系  ○JAZZとFUSIONの中間系
○ブルース系 ○ロック系 ●スムース系

ジャケット写真カッコいいですねえ!映画の一場面のようで・・・これはリッピントンズのリーダ−、ラス・フリーマンがギターリストとしてのこだわりを見せたソロ作品です。従来のリッピントンズファンに加え、広くギターファンにアピールする内容だと思います。(しかし革ジャンにスポーツカーのイメージとはどうも少し違うような・・・^^;)

全体的には現代風スムースジャズ仕立てなんですが、ジャズ風ありロック風ありアコースティックありと、全方位型ギターアルバムとして相当力の入ったものとなっています。しかし決してテクニックの羅列に終らず、あくまで「聴いて楽しめる」作りになっているところがミソですね。(私としては、やや楽曲が甘口に流れたかなあ、という気もしますが・・・)

ちょうどこれとほぼ同時期に、これまたスムースジャズの雄、ノーマン・ブラウンの「Just Chillin'」が出ていますので、聴きくらべてみるのも面白いでしょう。ブラウンのギターがファンク系独特の、粘っこいフシ回しを得意とするのに対し、フリーマンのギターはどちらかと云えばクールかつシャープ。さらにサウンドバリエーションの多彩さも特徴です。ただフリーマンの場合ソロ作品は非常に希なので、その分いろいろ詰め込みすぎてどうも聴いていて落ち着かない、ということはあるかもしれません。

また一曲、クレジット別扱いでグローヴァー・ワシントンJr.「イースト・リバー・ドライヴ」のカバーを入れていますが、これは昨年出たジェイソン・マイルスプロデュースのトリビュート盤「To Grover, With Love」の中の一曲です。(全く同じトラックの流用です。)なぜここに改めてこの曲を入れることにしたのか少々理解に苦しみますが、よほどこれが気に入っていて、ぜひソロアルバムにも収録したかったのか、それとも元々ソロ用にとっておいたものなのか?・・・多分、この曲はタイトル上(「ドライヴ」という・・・)も曲のイメージもアルバムコンセプトにピッタリ合って、それで収録する気になったんじゃああるまいか?と思いますが、いかがなものでしょうか。(かく云う私も、この曲をいたく気に入ってましたので・・・)

またよくいわれることですが、あるグループのメンバー(特にリーダー)が、ソロ作品を制作する際、独自性をどこに出すか、という問題。フリーマンの場合、あくまでギターにこだわることでグループとの違いを明確にしているようです。サウンド全体にリッピントンズほどの厚みをもたせず、ギターを際立たせる工夫に労力をさいた感じがします。といっても、出てくる音は実にさりげないものですが。ただその分、グループとしてのトータルなサウンドを好む向きには、このアルバム、少々「ギターづくし」の面があり聴き疲れするかも知れませんので、それ相応の覚悟(?)は必要です。(曲によりトランペットやサックスもちょこっとは登場しますが・・・)

○スムース系にして、なかなかの「骨太な」作品だと思います。まあ、タイトル通り「ドライヴ」向けを狙ったんでしょうか?私は結構都会的なイメージも持ったんですが・・・。なお、本作品制作の経緯は本人が詳しく語っている、本サイト「インタビュー」の方をご参照下さい。    (セリエJ)


   
Slow         Speedy
Light         Heavy
Mellow         Hard
Lyrical         Cool
Melodious           Out of melody/code
Conservative           Progresseve/Tricky
Ensemble         Interplay